つづき


パンチのフクスケ、蹴りの堀…どちらもいつ倒れてもおかしくない。そんな戦いでした。しかし倒れたのはフクスケ。しかし立ち上がった。2R終わりにローを明らかに嫌がったフクスケ。インターバル中に『3Rはロー一辺倒で来る。しっかりカット(ディフェンス)、そして確実にパンチを当てよう。』と言った。ちゃんと聞こえていただろうか?ローだけではなくパンチも大分食らった。そちらのダメージも心配だった。3R、やはり堀はローを攻めてきた。何度かカットはできた。今まで当たっていたパンチは威力も無く空振りが目立つ。ローがしつこく入る。ガードが下がる、パンチが入る。そしてまたローの嵐。ついにフクスケは倒れた。私はタオルを握り締めたがフクスケに賭けた。フクスケは凄い形相(もともと怖い顔だが更に…)で立ち上がる。割れんばかりの声援。誰もフクスケのことなど知らないはず。しかし観客はフクスケの奇跡に期待を寄せた。『ファイト!』レフェリーの合図で始まる。非情なまでのロー、耐えるフクスケ。パンチは当たらず防戦一方。再びマットに跪く。私はお世話になっている川村氏、セコンドのナカセンに『投げます。』と言ってタオルを投入。これ以上させたくなかった。残り1分、フクスケは立ち上がるだろう。しかしまた倒れるのは目に見えていた。選手生命にもかかわるかもしれない。悔しかったが投入した。3RTKO負け。

耐えた、攻めた、しかし届かなかった。そんな試合だった。キック2戦目でK-1でも活躍して堀と対戦。噛ませ犬と言う奴だろう。結果はそうなったかもしれない。しかし負けてインパクトを残した名勝負となったことは観客の声援が証明してくれている。また岡林さん(K-1レフェリー)、沼ちゃん、クラッシュ代表の宮田さん、コヒ…ジム代表がフクスケ、私に賞賛してくれた。それだけに悔しい。勝たせたかった。すまん、フクスケ、道場の仲間たち。

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