ケイジからの贈り物~些細な唄~
ひとりで旅に出る少年 家族4人に見送られる どこへ行こうが同じだろうが 世界が変わるわけじゃないか
なんて皮肉を呟いて旅立った
高みまで案内してくれる 夢の機械があるらしい それに乗り込めば 羽のない僕でも色々見渡せる
けど雲の中で何も見えなかった
つまらない世界 何も無かった 目を瞑るとそこも闇 何も変わらなかった
再び地面を踏むと目の前には見慣れた景色だけ 迎えてくれる家族 二人と小動物が二匹
今では三人と猫も三匹
紹介された場所 素敵な物語が生きている場所 きつい練習する人たち それでも笑顔は絶やさない
ここでは僕はたしかに笑えたよ
美しい世界 心があった 僕らが住んでいる地球にも匹敵する場所
海って奴もけっきょく水と塩だろ?
みんなで流して来た汗でも作れちゃうだろ?
ほらやっぱりここは違う世界 そろそろ帰らなくちゃ でもまたいつか来るから
ひとりで帰る少年 夢のなかった機会に乗り込んだ 重みのない大切な荷物 両手に抱えて
旅路の果てには迎えに来る人
気付けば夜中 おやすみなさい 目を瞑ると思い出せる あの人達がいた
短期HIDE'S KICK!に来ていたケイジが僕に宛てて書いてくれた詩と画です。漫画家志望のケイジ、画は上手なのは知っていました。詩まで書くとは…。素敵な物ばかりです。詩の周りには独創的な画、またこちらの画は僕がリクエストした画、最後の画は道場をイメージして描いてくれた画。若干17歳、17歳の青春の1ページにわが道場が刻み込まれたかと思うと感慨深くなりました。
ケイジは確かに醒めた所があった青年だったと思います。第一印象はそうでした。『楽しいんだろうか?』って半信半疑で来ていたように思います。しかし詩に『重みの無い大切な荷物』と書いているように彼にとって素敵な2ヶ月になったようです。
この画は東京の思い出だそうです。道場と海、道場の中に海があります。青いマットとかけてのことでしょう。帰国2日前に酔っ払った勢いで(駄目な大人)『ケイジ道場に画を描いてくれよ。』と無茶振りをしました。保護者のオグさんは『いやいや無茶っしょ。』って言っていました。ケイジなら大丈夫とごり押ししました。それがこの作品です。短時間で一生懸命描いてくれたようです。それを思っただけで目頭が…ケイジ本当にありがとう。またいつでもきなよ。それまで道場必死に経営しとくからな。
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